赤十字病院勤務は赤十字の事業のひとつで公的機関とみなされ、職員は公務員に準ずる扱いとなります。待遇面でも同様に考えがちですが、あくまでも赤十字の事業であり、国公立病院ではありません。各病院は独立採算で経営しているので普通の企業のようにリストラ等もあるようですし、公務員に準じた扱いですので、公務員給与減額等の動きがあるとの影響を一緒に受けてしまう事もあります。
しかし、やはり世界的に大きい団体の病院である事、公的機関である事は間違いなく、待遇面で良い部分もたくさんあるのです。
赤十字病院の待遇面で魅力なのは福利厚生が良く、充実した退職金制度です。例えば、通勤手当は2キロ以上で支給されたり、住居手当も職員名義であれば他の病院より多く貰える事もあります。そして扶養手当もしっかりとついていて、その他の各種手当もかなり充実しています。賞与も年に2回、定期昇給も年に1回あり、在職1年以上で退職金も貰えます。在職中に給与が思ったより安いと感じても、そこは公務員に準ずるものがありますので、退職を迎えるまで勤め上げると手当はもちろんの事、退職金も格段に良いと言えるのです。
ちなみに看護師育成の研修プログラムも充実していて、段階にあった研修も用意されています。赤十字病院の初任給は最終学歴によりますが、189,000円~204,000円となっていて、これに時間外や特殊手当がついていきます。
待遇面を聞くとやはり手厚く、看護師の研修にも力を入れている赤十字病院は魅力があると思います。ただし、赤十字病院は高度救急医療を提供する病院がほとんどで、病棟も救急部も重傷患者さんが多くなってしまうので日々の仕事はハードになります。また、地域で起きる事故や災害時には真っ先に召集され救命救護をしなくてはいけません。勤務中も頻繁に災害救護の研修や講習があり、この参加は義務付けられます。このように日々の仕事はハードになりがちですが、看護師としてのスキルアップ、保証の厚さ、退職金等を考え合せてみるとどうでしょうか。
例えばスキルアップを考えた時に、研修や講習制度を持たない病院勤務では勉強代は全て自己負担になりますし、研修講習の為に休みを貰うのもなかなか難しくなります。長年勤務しても退職金の薄さに悲しむ看護師も少なくありません。赤十字病院での勤務は月ごとに考えるのではなく、先を見て考えると良いかと思います。